導入システム『BTrex 連結会計』
■ 運用方針と決算業務を整理し、連結経営管理の強化を図る
りそなHD財務部 グループリーダー様:
関西みらいフィナンシャルグループの設立から関西アーバン銀行と近畿大阪銀行の合併を経て関西みらい銀行が誕生するなど2017年以降、りそなグループは大きな変革期を迎えました。
再編に伴い連結決算の仕組みを強化することは、りそなグループの対処すべき課題の一つとなっていました。
ビジネストラスト:
その一環で連結会計システムの見直しをされたのですね。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
そうです。当社では従来から連結会計システムを使用し、りそなホールディングスをはじめ、傘下にある複数の連結グループの連結財務諸表を作成していました。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
各グループにおいて使用していた連結会計システムは同じであったものの、勘定科目体系やシステムの運用方針はグループ間でバラバラでした。
りそなHD財務部 K様:
連結会計システム間のネットワークも分断されていたため、システム間の連携は困難でした。そのため、子銀行にはりそなホールディングスが配布するExcelの連結パッケージへ、連結ベースの数値を入力・報告をしてもらう必要がありました。
関西みらいフィナンシャルグループ財務部 K様:
関西みらい銀行とみなと銀行も複数の子会社を有しております。各グループの連結財務諸表の作成とりそなホールディングスへ提出する連結パッケージの入力は非常にタイトなスケジュールのなかで行っておりました。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
関西みらいフィナンシャルグループをはじめとした大きな再編は、連結決算の仕組みを整理・効率化させ、グループ経営の更なる強化を図る一つのきっかけとなりました。
■ 機能・コスト・実績を総合的に評価
ビジネストラスト:
当社へお越し頂きBTrex連結会計(以下、BTrex)をご紹介させていただきました。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
当時使用していたシステムを継続することも選択肢に加えつつ、複数のシステム会社からお話をお聞きしました。
ビジネストラスト:
東京と大阪へそれぞれご訪問のうえ、製品紹介をさせていただきました。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
操作・機能面の評価は実務担当者から広く意見を取り入れました。そのほか、コスト面や銀行業における実績などを総合的に勘案してBTrexへリプレイスすることを決定しました。
■ 関西みらいフィナンシャルグループのサブ連結は段階連結を採用
ビジネストラスト:
現在のご利用範囲を確認させてください。
りそなHD財務部 K様:
複雑な設定・運用を回避するため、BTrexを基準に運用方針を整理しました。
旧システムでは利用できていなかった範囲もBTrexにのせることで、従前と比べシステム利用範囲は広くなりました。
関西みらいフィナンシャルグループ財務部 K様:
銀行決算特有の損益項目である業務粗利益や業務純益などもBTrexで確認しております。
連結財務諸表の数値に加えて、連結ベースの経営報告資料などもBTrexから取得することができます。Excelで二次加工に要する工数が削減されました。
ビジネストラスト:
関西みらいフィナンシャルグループは従来からサブ連結(※1)を実施されていますね。
※1当導入事例において、サブ連結とフラット連結の定義は以下になります。
サブ連結:子会社を頂点とする連結財務諸表を作成すること
フラット連結:孫会社も子会社と並列に扱い、親会社と子会社・孫会社をそれぞれ同じように連結処理を行うこと
りそなHD財務部 O様:
サブ連結を継続するか、りそなホールディングスですべての子会社を連結するフラット連結方式へ移行するか検討しました。フラット連結方式だとりそなホールディングスの連結財務諸表が完成しないと関西みらいフィナンシャルグループやその子銀行の連結財務諸表を作成することが出来ません。連結決算作業を並行して行えるようにするため、関西みらいフィナンシャルグループではサブ連結を継続することとしました。
関西みらいフィナンシャルグループ財務部 K様:
関西みらいフィナンシャルグループには段階連結(※2)を行っており、関西みらい銀行とみなと銀行でそれぞれ行ったサブ連結の結果を取り込んでいます。Excelで二次加工に要する工数が削減されました。
各銀行のサブ連結の結果を関西みらいフィナンシャルグループの連結へ反映させる際もシステム間で連携することで取込み等の作業が削減できています。
※2当導入事例において、段階連結と範囲連結の定義は以下になります。
段階連結:サブ連結で作成した子孫会社の連結財務諸表を持ち上げ、親会社で連結決算を行うこと
孫会社連結→子会社連結→親会社連結といったように段階的に連結を行う
範囲連結:親会社で作成した連結財務諸表から、一部の数値を切り離して子孫会社の連結財務諸表を作成すること
親会社連結→子会社連結→孫会社連結のように次なる連結へ範囲を絞って連結を行う
■ りそな銀行と埼玉りそな銀行はフラット連結を採用
ビジネストラスト:
りそな銀行など、りそなホールディングス直下の連結財務諸表はいかがでしょうか?
りそなHD財務部 K様:
りそな銀行の連結財務諸表はりそなホールディングスの連結から関連する仕訳等を切り出すことで作成しております。(範囲連結)
りそな銀行はりそなホールディングスの100%子会社のため、連結上起票すべき仕訳の多くがりそなホールディングスの連結と重複します。BTrexの範囲連結機能を使用することで、自動的に必要となる仕訳等を抽出・切り出してくれるため、作業工数は大幅に削減されました。
私見もありますが、BTrexの導入によって一番業務量を削減できたのは、子銀行の連結決算だと思います。
■ 孫・ひ孫会社はサブ連結とフラット連結の双方を管理
ビジネストラスト:
制度決算(※3)は関西みらいフィナンシャルグループをサブ連結方式で取り込んでいますが、社内管理用としてフラット連結方式で連結財務諸表を作成されております。
※3当導入事例において、制度決算の定義は以下になります。
制度決算:金融商品取引法に基づく四半期報告書及び有価証券報告書へ記載する連結財務諸表等の作成を指す
りそなHD財務部 グループリーダー様:
銀行や関西みらいフィナンシャルグループは連結ベースで業績評価を行っているため、サブ連結の結果が必要となります。しかし、サブ連結を段階連結で作成していると、りそなホールディングスから孫会社・ひ孫会社の数値を確認することができません。
関西みらい銀行やみなと銀行のすべての子会社を、りそなホールディングスでフラット連結することで、末端の子会社まで一覧で見ることができます。すべての子会社をフラット連結にする場合も、BTrexが自動で行ってくれます。
子会社の業績を一覧にまとめた帳票を作成する際に大変重宝しております。
関西みらいフィナンシャルグループ財務部 K様:
ビジネストラスト様は銀行業の連結決算に非常に長けており、大変助かりました。事例なども織り込みつつ、実務に沿ったアドバイスを多々いただきました。
りそなHD財務部 K様:
データ移行から操作指導まで丁寧にご対応いただけました。操作指導時に都度いただける議事録等は非常に細かく記載されており、内容等を振り返る際に助かりました。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
ジョブローテーションを行い、連結決算を組むことが出来る担当者の育成強化を行っています。同一システムで複数の連結グループを管理することで、ローテーションにおけるハードルも下がりました。
りそなHD財務部 N様:
BTrexの導入時はりそな銀行の連結決算を担当していましたが、導入後、りそなホールディングスの連結決算にも従事することになりました。
インターフェースや操作感が同じなことに加えて、連携機能なども優れていたことで引継ぎもスムーズに行うことができました。
関西みらいフィナンシャルグループ財務部 K様:
私もローテーションの一環で、別の連結グループを担当することになりました。複数の連結グループの決算を担当できることは大変貴重な経験だと思います。
ビジネストラスト:
導入時に監査法人向けにご説明させていただきました。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
連結会計システムの特性から仕訳等はシステムから自動生成します。システムから生成された仕訳について理解し、説明できなくてはなりません。説明の場に同席・フォローいただき大変心強かったです。
ビジネストラスト:
有難うございます。
りそなHD財務部 グループリーダー様:
当社は「リテール№1」の金融サービスグループを目指し、今後も様々なビジネスに挑戦していきます。経営陣の意思決定に資する情報を今後も提供し続けていくためにBTrexを活用させていただきます。システム面を中心に更なるご支援をお願いします。
ビジネストラスト:
承知しました。本日は有り難うございました。
当導入事例は2022年3月時点の公表情報をもとに作成しております。